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M&Aを活用して民泊ビジネスへ参入

M&Aを活用して民泊ビジネスへ参入


新型コロナウィルス感染症後の国内の観光需要は、日本人の国内観光は活発化しており、さらに訪日外客数についても新型コロナウィルス感染症の水準に迫る勢いで増加傾向にあるのが現状です。それに伴い国内宿泊施設の需要が高まりつつあり、宿泊施設が不足する傾向で、宿泊料金も高騰してきている状況です。その中でも比較的低料金で滞在できる民泊施設がインバウンド中心に注目されています。今注目されている民泊ビジネスを新規で参入するのではなく、M&Aで効率的に参入することのメリットを買い手側の目線で解説していきます。

最初に民泊とは

宿泊施設にはホテル、旅館、民宿、など様々な形態があります。その中で、戸建住宅やマンションの全部または一部を活用して、旅行者等に宿泊サービスを提供することを一般的に「民泊」と指します。

民泊の運営には以下のいずれかの法律に則って許可を得るか、もしくは行政機関に届出を行う必要があります。

・旅館業法の許可(簡易宿所)を得る
・国家戦略特別区域法(特区民泊に係る部分)の認定を得る
・住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出を行う
出典元:「民泊制度ポータルサイト」


住宅宿泊事業法の届出推移


下記のグラフが示すとおり、新型コロナウィルス感染症であった2020年から終息宣言が出た2023年の5月までの間は届出住宅件数(届出件数ー事業廃止件数)が減少傾向でしたが、その後は増加傾向に転じ2024年9月15日時点では26,657件で第1回目の緊急事態宣言が出た直後の2020年4月10日の21,385件を上回る状況となっています。

出典元:国土交通省「届出住宅数等の推移」


国内の訪日外客数の動向

コロナ禍後の訪日外客数は大幅な増加傾向にある。日本政府観光局(JNTO)の2024年10月16日に発表された報道発表資料によると、2024年9月の訪日外客数は2,872,200人(推計値)でした。。2024年1月〜9月までの累計数は26,880,200人であり、すでに2023年の年間累計25,066,350人を上回る状況です。

今後も増加傾向は続いていくと推測され、それに伴い国内宿泊施設の需要も高まると考えられます。また、新型コロナウィルス感染症期間中にテレワークが盛んに行われ、ワーケーションという新しい働き方が始まりました。これは仕事と休暇を組み合わせた働き方で、テレワーク等を活用して職場や自宅とは異なる場所で仕事を行いつつ、自分の余暇も過ごすことができる働き方です。このワーケーションという働き方で観光地やリゾート地を利用する人が増えれば、国内の宿泊施設の需要がさらに高まってくると推測されます。

出典元:日本政府観光局(JNTO)「プレスリリース訪日外客数(2024年9月推計値)」 

民泊ビジネスのM&A

今後の国内旅行の活発化、インバウンド需要の増加、またワーケーションといった働き方の変化など国内の宿泊施設の需要は益々高まってくると思われます。この活発化する需要を国内にある既存の宿泊施設だけでは、賄えず不足するという事態になる可能性があります。この不足を解消することができる可能性があるのが民泊ビジネスであり、ホテル、旅館などの宿泊施設に比べても低コストで参入することができます。

M&Aで民泊ビジネスへ参入するためのポイント

・M&Aマッチングサイトのプラットフォームの活用

私はバトンズの認定アドバイザーとして活動しておりますので、バトンズの売り案件情報を見てみると、ホテル、旅館と共に民泊施設の売り案件が目につきます。バトンズのようなM&Aマッチングサイトのプラットフォームを活用するメリットは、同種の複数案件の比較検討ができることで、優良な案件かどうかを見極めることが可能だからです。

また、自分自身で確認することは必須ですが、すでに既存の施設として民泊ビジネスを運営している売り案件であれば、許認可等の法規制はクリアしているものと推測することができます。


・許認可関連の確認

先にも記述しましたが民泊を運営するには、①旅館業法(簡易宿所)の許可を得る、②国家戦略特区法(特区民泊に係る部分)の認定を得る、③住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出を行う、いずれかの制度を選択しなければなりません。

この3つの制度の内容には違いがあり、例えば、営業日数の制限については、旅館業法と国家戦略特区法は制限がありませんが(但し、国家戦略特区法は2泊3日以上の滞在が条件)、住宅宿泊事業法では、年間提供日数が180日以内(但し、条例で実施期間の制限が可能)と制限があります。この民泊として提供できない期間を前オーナーがどのように施設を運営させていたのかを確認する必要があります。

もし運営が不十分なのであれば、例えばウイクリーマンション、マンスリーマンションなどに転用して稼働させることを視野に入れて検討しなければなりません。


・民泊施設(物件)の確認

M&Aで民泊施設を賃貸で引き継いだ場合は、そのまま民泊施設として引き続き営業許可いただけるのか、賃貸人に確認をすることが必要です。また賃貸マンションでの運営では、必ずマンションの管理規約に違反をしていないかを再度確認をする必要もあります。管理組合の規約に違反をしていなくても、実際にトラブル等がなかったかをマンション管理人に、管理人がいないマンションであればマンション住人に確認することを今後のトラブル回避のためにお勧めします。


・周りの環境とマッチした施設であるか

すでに民泊施設として運営されている物件をM&Aで買収する際には、周りの環境とマッチした物件であるかを確認することが必要です。例えば、物件がある地域はファミリー層向けの施設が多い環境だった場合、ターゲットはファミリー層となります。買収する民泊施設もターゲット層を集客できる仕様となっていることが重要です。そうでなければ、思うように集客ができず収益を上げることが難しくなります。


・集客方法

M&A民泊施設を買収する際には、どのようにして集客をしているのかを確認することが不可欠です。ほとんどの民泊施設は、Airbnb、booking.com、Agodaといったオンラインでの予約サイトを活用していることでしょう。

オンライン予約サイトを活用する利点は、集客業務を自動化して人件費をかけずに効率的に行えるという所です。また、顧客情報、売上情報、予約情報などを管理することができるので、施設に対する情報を正確に把握することが可能です。

また、お客様からの口コミといった施設の評価も施設の価値を高めるためには需要な要素となります。好評価であれば、多くの集客に繋がる可能せがあります。これらの情報はM&A材料として活用することもできます。


・施設の管理

民泊に係る3つの法規制の中で、住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出で民泊を運営し、その民泊が家主不在型の住宅宿泊事業者として運営している場合は、管理代行業務を許可認定された住宅宿泊管理業者に業務を委託することが義務付けられています。M&A施設を買収する際には、必ず施設の管理体制を確認しておかなければなりません。
その中で3つの運営パターンが想定されます。
①全ての業務を管理会社に委託する。

②一部の業務のみ管理会社に委託する。
(一度全ての管理業務を管理会社に委託した後に、オーナー自身が行う業務のみを管理会社から再委託という形で戻してもらう形)

③全ての業務をオーナが管理する。
(オーナー自身が住宅宿泊管理者に登録する)

現状がどのパターンで運営されているのかを確認し、買収後にどのパターンが費用対効果があるのかを検討することが不可欠です。

まとめ

民泊ビジネスは日本人の国内旅行活発化、訪日外客数の増加、働き方の変化といった状況で、今後発生してくる国内の宿泊施設不足に対して、これを解消することに貢献できるビジネスに成長すると思われます。民泊ビジネスへの参入は他の宿泊業に比べて比較的費用をかけずに参入することができ、副業として運営することも可能です。

今後本業、副業で民泊ビジネスをお考えの方は、1から新規事業として民泊ビジネスを立ち上げるよりも、M&A活用し既存の民泊ビジネスを買収する方が優良な案件を探すことが可能であり、事業開始から安定した運営をすることが期待できると考えます。

たからだFP事務所にお任せください

たからだFP事務所は、M&A費用を抑えて、中小事業、個人事業の経営者様でもM&Aを実現できるスモールM&Aをメインに活動しております。今回の記事でご紹介した「民泊ビジネス」案件やそれ以外のM&A案件も随時ご相談を承っております。ご相談は無料ですので、売り手様、買い手様共お気軽にお問合せください。

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